カーテン


誰にも見つからずにここまで来れたか
私はあなたのためにカーテンを閉じる
子らに貪られたその魂の心根を
母親が切り落とした人差し指と中指を
ブルーライトに潰れた目に手を当てて
道端に放り捨てた副腎を差し付ける
いつかあなたが殺した自らの肢体を弔うために


だが私は蜂起した細胞群の収縮を押し並べて嘲笑し
労働と世論の光線が差し合う世界へ蹴り飛ばす
どのダマスク調カーテンも遮光することはなく
防音する街では監視カメラ越しに覗き見ている


あなたが選ばなかったBの道からやってくるパレードはバナー広告となってあなたをどこまでも追いかける


音を立て秒を追うごとに死んでいく
脳細胞が潰される音は耳鳴りになって
思わず閉じたその目にギンコール酸を振りかけた
これでもう決して私の顔を思い出すことはないね



いつかどこかに埋めたよね
回転木馬を地の奥深く
もう夢にさえ思い出さないように
黄斑ごと捻り潰した

あの中に

 

 

みた 映画

「オーケストラ・リハーサル」

フェデリコ・フェリーニ

 

私も多分、あの中に一人

 

 

【映画パンフ】オーケストラ・リハーサル フェデリコ・フェリーニ

【映画パンフ】オーケストラ・リハーサル フェデリコ・フェリーニ