死の許容は見当たらない

rottenlily2009-06-05

あれもそれもこれも
みんなわたしが数年前にひたすら悩み続けて
作り出した造形物だったのよと
線路に遠く離れた歓楽街から叫んでも
誰も何も聞こえていない
作り出した言葉も色も形も
それらはみな私がぼろぼろと剥がした
皮脂の乾いた角質層だったのかもしれぬ

このままこのガングリオンは乳母車を押す手の汗になるのだろうか
いやそれともまたただひたすらに喉の奥に突っ込まれた唾液まみれの掌に溶けるのか
味付海苔の入っていたプラスチックを灰皿にしたら
生石灰がひらりひらりと噴煙となって空に舞った

最後の雨を聞きながら飛ぶ湘南新宿ラインの軋む背の開閉スイッチ
かつて死んだ彼氏が酉の首を捻る様にして歌った声が聞こえる

この雨の生温さは多分緑のデスタバコの安楽さ加減
こんな風にしか生きられないとわかってる

もうずっとずっと昔から こんな生き方をしてるから
いまさらロールプレイングのようには いかないんだよ

幾重にも重なった商標登録証に灰を落として
2年前のマッチで火をつけて台所で燃やした
まだまだ終わりは見えてこない
生きても生きてもまだ、死の許容は見当たらない