2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

北川透「華やぐ魚」

その日 空に許されて魚たちは飛んでいた 水の呪縛は流れの中で見失われ 火の呪縛は熱の中で見失われ空の呪縛は風の中で見失われる 韻律の呪縛は声調の中で見失われるか 水中で魚たちは鳥をうらやんでいたが 今 翼を与えられると鳥たちの自由はもうむなしいも…

ballet Line

多分1ヶ月ぶりの湘南新宿ライン。 上京してから数年、毎朝のように乗っていたはずなのに いざ乗らなくなると、横浜は遠い異国 異国情緒のカケラもない他人の街 それでも、五年間住んだ第二の故郷のような。 新宿から横浜まで30分の旅路は、読書やら書き物を…

morgenspaziergang

通勤中に読んでる本に熱中し過ぎて、会社に行くのをやめて喫茶店に入って続きを読み始めた。仕事したくない。評価とか依頼とかサイトとか店の話とかもうどうでもよくて、このまま本を読み続けようと思った。 現実と空想の境目が曖昧になると、見ている世界が…

それ隠れたるものの顕れなく

片目の潰れた猫が、腐った瞼を口に咥えて 不幸せそうな顔をして通り過ぎてく 求めても、与えても、それでも足りぬ 積み上げても バラバラにしても「それ隠れたるものの顕れなく、 秘めたるものの知らぬはなく、明らかにならぬはなし」 (Evangelium Secundum…

忘れたいから思い出せない

仕事、途中で完全に放置して19時半、新宿から原宿へ。浅野さんの企画、『忘れたいのに思い出せない。』 今日はちゃんと最初から見れた 全部面白かった 行って良かった。 鳥を見たはアコースティックverだった。 今、終わって帰りなんだけど、きゅっと結んで…

ケミカルリアクション

日の沈む窓際の椅子で 目を覚ました知性の画家が セロトニンをスクリプトに書き起こしながら 今日をプログラミングしているけど あなたの完璧に外れているのは 今日の私の気まぐれの闇 曝け出してる胸元の血の匂い 色素も死んだあなたの黒髪に 根元から忍び…

なみだ の よる

ノラ 猫 リリー が 探した 男は この 冬 一番に 寒 い 夜 コン ク リート の 上 小さく 眠っていた ノラ 猫 リリー は 毛皮 を 脱いで 男 の 肩に 被せて そして 自分の 小屋に 運び いれ 暖かい お茶を 飲ませては ブルー の ベッドに 寝かせ て 暖かな 朝 …

魚の葬列

終電間際の東京駅で 人の群れが一斉に駆け出していく 我先に 我先にと 最終電車は23:59 夢のワンハンドレットヒルズへ 死の臭いが立ち込めるこの路線は コンクリートに狭まれた さながら葬列のよう 最後の電車に寿司詰めにされて 何億個の圧縮された精子たち…

深紫の綴織が揺れる

昨日、仕事が終わって向かった先は渋谷の青い部屋。 大好きなバンド『鳥を見た』のライヴの日。鳥なだけにトリだったのでなんとか間に合う。昨夜は行けなさそうだったんだけど、どうしてもなかおくんのギターとうたが聴きたくなって、昨夜は頑張りました。月…

なみだ の よる

ノラ 猫 リリー が 探した 男は この 冬 一番に 寒 い 夜 コン ク リート の 上 小さく 眠っていた ノラ 猫 リリー は 毛皮 を 脱いで 男 の 肩に 被せて そして 自分の 小屋に 運び いれ 暖かい お茶を 飲ませては ブルー の ベッドに 寝かせ て 暖かな 朝 …