2010-01-28 眼を塞いで夢になる 取り残された歯ブラシが 腕を伸ばして倒れてる 笑いの消えたまな板が 漂泊しながら止まってる 完璧だった食卓は 退廃する様相でこちらを見ている 怒り狂って崩壊している 無機物の中で塞いでる 泣き叫ぶ妹を宥めている 夫になれない男が荒む なりきれなかった食卓で 女の臭いが染み付いた 感性という過去を捨て 取り残された輝くシンクに 虚ろな眼をした患者が一人 ぬくもりの準備をして待っている 睡眠薬を腕に抱えて 眼を塞いで夢になる