2011-07-18 マボロシの世界 引っ張って伸ばして縮めて放たれて 時が歪む街に踏み入れた足が二つ いつか見た小説のようにバスが来て 帰り際の汽笛が鳴るその瞬間までが本当の話 揚げピータンに乗って兎が空を飛び始め 夜更けの消波ブロックにロウソクを打ち捨てて 体ごと映画のように海になる 手離した一瞬から色褪せ始める ここからフィクションが始まる