Bentley's Aero Engines

眠れぬ夜に一人椅子に座って
新しいファイル名でtxtに一つ
写真家の名前を書き入れる
#666666の雲が重く圧し掛かり
首を上げるのも苦しい夜に
胸騒ぎがするのは、きっと遠くの嵐のせい。
心を剥き出しにしていると
余計なものがどんどん絡み付いてくる
腕を振り切るように逃げ出して先
追いかける人々の背中が真っ直ぐ突き刺さる
どうしたらあんなにすうっと生きられるんだろうな
もっとシンプルになりたい。
私は何もかも余計で、何もかも足りない。


煙のように鼻につく雨の匂いは海に遠く
私はビルの角にぶつけた頭を抱えている
過去を懐かしめば先へ進まず
未熟なままでは遠く離れていく
波に打ち砕ける悲しみで静かな夜には
ただ大きな力に全身を巻かれたい、それだけなのに。