history will teach us nothing

ドタバタと残業からの帰還、スコールのような通り雨。
ほんの少し会社を出るのが早かったら、土砂降りに打たれていた。
友達に渡すプレゼントを忘れて、取りに戻ったその時間差で助かった。
人に会うからと自転車通勤をやめて電車にしたら、肝心の約束が無くなって
自転車で来なかった事を悔やんでいたけど、逆に助かったんだな。
予定通り自転車で帰ってたらずぶぬれだった。
うん、3月の地震の時もそうだ。
人に会うために有給を取っていて、会社から歩かずに済んだ。
他の友達に渡すフィナンシェを焼いていて待ち合わせに遅れた。
もし時間に間に合っていたなら、私は錦糸町から新高円寺まで歩かなければならなかったはず。
待ち合わせ相手も、電車に乗らずに近所にいて助かった。
互いに線路上で電車に閉じ込められていたに違いない。
よくあることなのかもしれないけど・・・不思議と救われていると思う。


妹から連絡、少し悲しいことがあった。
やはり私は何の力もない。誰の力にもなれない。とても悲しい。
何の為に生きているんだろうな。


出口の見えないトンネルには幾数のパネルが嵌められていて
砂嵐が轟音を上げて地響きを鳴らしている。
そのうちの幾つかには、静かな空と街が映し出されている
街はやがて海に繋がるが、映像は決して人姿を映そうとしない。
真っ暗なトンネルの中で見つめている画面は
いつかの待合室で流れていた、世界遺産のVTRだった。


トンネルは真っ暗だけれども、後ろがどちらかはわかる。今立ってる背中のほう。
今ふり向いちゃいけない。ふり向いたら、水干からびた塩柱になっちゃうから。