コーヒールンバ

昭和に浸るために副都心線に乗り換える。期待通りに満足して帰宅。


川上弘美『おめでとう』読了。川上弘美が描く世界は98%くらい私に関係なくて、主人公の変な友人や幽霊なんかに少しだけギューと声を出すくらい。それが2%。嫌いじゃないけど関係ない、女の子たちの世界。例えるなら、綺麗なボーダー柄のトップスみたいな、キラキラした本当の宝石のような、毎朝描く端正なアイラインのような。目的を忘れてしまい、行為だけが残っている女の子の色。カクテルならミモザフレンチキス、くすんだオレンジ色。仲間になれない女の子の世界そのFくらいのやつ。でも嫌いじゃないんだよ。


早く脱ぎ過ぎて一人だけ裸になってしまった瞬間、ゴムのように伸びる時間は頼りない違和感。携帯が窓の隙間に落ちる音。頼りない不安。



騒がしい世界に不安定だから喋り過ぎる。持て余す手の中に他人の声が響く。空っぽと分かっていて開く箱の蓋の音みたいにどうでも良くて、耳につかないおしゃべりは一人きり。みんな、みんなに、しらんぷり。