Chromakey Dreamcoat

白い画用紙の上にトロトロした墨汁を垂らして
尖らせた割り箸の先で墨を拡げていく感じ
悲しみはみんな私の内にあって誰とも伝えられない
本を読む力も失せた終電一つ前の真っ暗な夜
電車の椅子側面に体重を乗せ
濁明な川崎の空を見つめながら卒倒していく
あの京急線のリズムに似てる。
目蓋の裏の意識ごと真っ白に委ねられていた頃
救護所で目覚める度、夢のまた夢の中に入りすぎたのかもしれない。