水底に沈みたる

大宮八幡宮@杉並の「薪能」へ。
生で見るのも初めてのことで嬉しかった。
演目は・・・舞囃子「小袖曾我」、狂言「鬼瓦」、能「藤戸」
能の「藤戸」は内容に関連性があり
東日本大震災で被災された方へ鎮魂の為に舞う、とアナウンスがあった。
ネタバレになってしまうから詳しくは書けないけど
船渡りの棒になり、剣になった1本の棒に
ラスト、恨みがうち砕ける赦しの瞬間が表現されたのを見て
あまりの感動に言葉を失って震えてしまった。
指先の折れ曲がり一つで怒りを感じられる
言葉にならない感情を衣擦れの音に見出す
本当に素晴らしかった。また観にいこう。
最初のアナウンスを聞いてから、観ている間もずっと考えていたけれど
東日本大震災の被災者は、地震津波で直接被害を受けた人たちだけじゃなくて
原発で故郷を失った人々や、建築を間違えたコストコ駐車場で死んだ人の遺族や
あの日の地震が原因で生活が変わってしまった人や、2次的3次的にも一杯いる。
恨み苦しみ辛さがふっと解けるってどういうことなんだろう。
目に焼きついた終幕を思い出しながら、ずっと「赦し」について考えていた。
宗教なんかでも散々語られるテーマ。多分一生考え続ける課題なんだろうな。