memento relatable

久々に神保町行って本とCDを探して
広尾の家を訪ねて、昔の話を聞いて
夜はゆっくり食事してお酒を飲んだ。
駅外れのお店は静かで雰囲気も素敵で
サービスもきちんとしていて良かった。
日常の喧騒から離れ、話を出来て嬉しかった。


駅を出て横断歩道を渡ると
小さな男の子が路地の隙間に入っていくのが見えた。
風を切る足音を追いかけ、暗い裏道を進んでいく。
都電車庫跡に出来た大きな都営住宅はすっかり老朽化して人も無い。
道端では椅子に腰掛けたお婆さんが墓花を売っている。
「いかがですか」という声に気がついて男の子が逃げる。
緑バケツに菊の花、紫と白と黄色の花弁がメゾティントして
斜道の先に名曲喫茶を通り過ぎ
枯れかけた蔓が繁り蔽った家の影に消える。
追いかけて曲がると男の子の姿が無い。
右を見て左を見ればそこは明治通り
今確かにあったはずの古い家は
韓国料理屋が入ったテナントビルになっていた。