新宿の一房


昼間はあんなに暖かかったのに
夜になればこんなにも肌寒い
鮮やかに透き通っていた新緑も
夜風に色を失っている
誰とも交わせない悲しみが
滲んだ街に消えていく
金曜のチケットは手持ちに無い
騒音を歪ませたノイズの波縫い
十字架形のベニヤ板を背負って
蟻のように歩いていく