こんな夢を見た


人々は感じることさえ面倒くさがるようになり
色も感じなくなる人が増え、
あらゆる店や施設は色を持つことを止めはじめている
知らない街で、なんとか見つけた喫茶店にはまだ色が残っていて
陰影や質感も残っている。
シロクロばかりの世界の隙間を逃げてきたので
久々の色ある世界が嬉しくて
臙脂色の椅子に座り、マスターにコーヒーを頼んだ。
一杯飲んだら、私は店を出てまた白黒の世界に戻らなければならない
ゆっくりコーヒーを飲んで、ドアを開け
白黒の坂道を見上げた
こんな夢を見た