何かを書き始めた時から、どこかにいると思っていた、自分の心の中をわかってくれる人、大切にしているものをわかってくれる人。それはうまく言葉にはできなくて、ずっとまだ探し続けていて、日々の裂け目に見えているもの。そういったものを誰かと共有したかった、誰かと話をしたかった。
でも、日々を重ねるごとに誰かに話すごとに、それは誰とも共有できないもので、まして自分の心の話をするなんて、無駄なことで悲しむだけで、話せば話すごとに傷つくだけなんだなと思うようになった。
何かを作る人、似たようなことを思っているようでも、違う、あ、なんだかって勝手にこっちが思い込んで、傷つくだけだ。私は彼らのようにはなれない。
見上げれば太陽の下、風に揺られて舞い上がる真っ白なシーツ、足にまとわりつく灰色の波灰色の雲、砂糖のザラザラした感触、人ごみ人ごみ、人のいない部屋、空間に見える裂け目、いつか吸っていた煙草の匂い、頭痛、プチプチしたシングルモルトの弾ける薫り、枯れていく百合の花弁、拭いても拭いても溢れてくる悲しみ、誰とも共有できない何か
ライトブラインズマイアイズ
翻る長い長いスカート
夜の街、今日はとても悲しい