石を拾って

私が鎖と手錠を持っていると言うなら
バッグも袋も捨ててしまえば
空っぽの腕で踊っていることに
気付いてくれるだろうか
チケットを失くしてしまったのは私で
思わず握ったbackstagepassは2年前の日付
fbたんは苦笑いで写真を持ち出してくる
とても楽しそうに七夕祭りで飲んでいた写真


書きためた言葉の束を結んでいたら
無人の阿佐ヶ谷商店街にさやさやと音が聞こえる
それは言葉がすれ違って風に揺れる音
生ビールの時間に間に合わなくても幸せで
今は私が眠れない夜があっても
醤油に浸かってうとうとしたら
朝には涙も染み込んで消えているはず
きっと大丈夫だと信じて踏み出した
昨日の石を拾って磨いて
明日に並べる