油のようなもの


胸の奥に仕舞っておいた苦しみみたいなのは、もうずっと奥にわからないようにしているから
それが呼び起されようとすると、何やらよくわからない感覚としてぞわぞわと背中から這い上がってくる
会話や雰囲気、言葉、罵倒、本人は覚えていないと翌朝言っていたことが2度あったけど
電車の中で繰り広げられていた会話は理由のわからない恐怖でそれはなんだかよくわからなくて
その空気感、何かを思い出そうとしているような気がする、
確かにしっかりと蓋をしておいたはずなのに、勝手に油のようなものが中から漏れ出していて
自分の太ももを伝っていくあの感じ


中学生の時に、男子と一部の女子からいじめられていて
それはもしかしたらいじめでも何でもないのかもしれないけど、少なくとも私にとっては恐怖だった。
頑張って入った進学校で、いじめられてるなんて絶対親に知られちゃいけないから
親の帰宅時間を考えながらそっと姿を見られないように部屋へ入ったりしていた
どうすれば相手に気づかれないように通り過ぎられるか。
色々あって男性恐怖症みたいなのになった私は共学の公立をやめて、ランクを落として女子高へ行った
親や先生には散々最後まで反対されていたから試験料まで振り込まれちゃったけど
アトピーが悪化してでろんでろんになってしまったので親はあきらめた
どうやって克服したか覚えていないんだけど、ある種の男性を見るとやっぱりいまだに駄目で逃げる
色々書き込んでいた私のノート、大切にしまっていた生徒手帳の裏、女の子の甲高い笑い声
男の子たちの仕草


ただ嫌な感じばかりを覚えるだけで私は言葉をうまく説明できなくいて放っておこうと思ったんだけど
帰宅して見た動画を見て頭の中がわーーーっとなって肋骨あたりがキリキリして何かが1cmくらい動いた感じがした
思い出すのは感覚的にしか思い出せなくて、毎度理由のわからない変なにおいのようなものだけど思い出していたけど
いじめていた彼らは私のことなど覚えていないだろう
何気ないからかいの1シーンなのかもしれないけど
それが何だったのか思い出せないからやっぱり思い出せない