ドリームホーム 99%を操る男たち

夕方、なんとなく映画を観に行った
思い立って20分後には観られる立地は幸せだ
シネマカリテ【99 homes】
邦題がドリームホームなんだけど全然内容と違う。
彼らは99%を操ろうとしているんじゃなくて
100個のうち99個ある家々を転がしている
残り1個には手もつけられないしその気もない
99個のチャンスの中からこぼれた
チャンスにならない塵を組み立てて
1にさえなれないチャンスもどきで
失った99個の中にもう一度入ろうとしている
1でも99でもない場所で足掻く話(())
事前の紹介や興行会社の売り出し方が下手だなと感じた。
音楽も良かったなあ。ずっとねっとりと張り付くような音は
自分の良心と家族への思いとお金との間で
這い蹲り進む主人公の心象をそのまま形にしたようだ。
どこかの記事で、魂を売った男と書いてあったけど
彼は魂は売っていないし、最後まで家族への思いを優先していたし
最終的に彼は良心に耐えられず全てを放り投げてしまう
結局家族は誰も理解してくれなかったけれど
リックが主人公を選んだのは自分と似ていたからなのかもしれない
けど、たぶんそれがリックのミスだったと思う。
なんとなく主人公でなくリックに心情移入してしまった
それに気づいたのはラストシーンで私はリックと同じように考えたから
リックも主人公も世間的に見ればひどいことをしているけれど
彼等自身を悪くは描いていなかったのが印象的だった
結局はリックも弱い人間だった
同じ立場の時、自分はどうするだろうとか
いろいろなことを考えた一作だった