梅庭日報


お前は捨てられたのだ
二人並び、AとB、
Aがいいから、B、そちらのお前は消えてくれと
はっきり聞こえた言葉をよく覚えているだろう
今頃、祝杯をあげているよ
お前に払う金はないそうだよ
耳元で囁くハエを振り払った
多目的ホールの扉をこっそり開けると
男が女のアソコと全身をぺろぺろと舐めている
こうもりに追われながら牛乳を吐いて螺旋階段を降りる
中学校の校舎と昨年が入り混じったおかしな悪夢を見た
こういう悪夢はいつまで続くのだろう


なかなか治らぬカサブタの下で広がる黒子を見て
病院に行くことを勧められ、行ってみたらそれは腫瘍だった。
きっと良性だから放っておいてもいいよと言うけど
消えたり治ることはないというので
仕事を抜け出して麻酔をかけて切開してもらった
「撮る?撮る?撮ってもいいよぉ」って医者にそそのされて
ベルセルクみたいな巨大な細胞塊をばしゃばしゃと撮影。
そのままモンスターか怪獣になりそうな奇妙な色と形だった。
こんな気持ち悪い塊が私の肩の奥にあったのか


数年間身を潜めるように消えていた自分の感覚が元に戻ってきて
離れて正解だったのだと思っている。このまま書けばいいのだ
殴られドブに捨てられたのもお前に素質があるからだよ
悪夢はいつくらいで見なくなるのだろう
麻酔はだいたい何時間くらいで消えるのだろう
昔痛まないようにかけたはずの麻酔がまだ効いていて
うまくしゃべれないから今はただ聞くことに徹している