百夜


金曜日の夜は土曜日の朝と地続きで
色の違う百夜、乳白色のような
明け方が習慣になりつつある
霧のように今だけのものかもしれない
死ぬまで続くのかもしれない
死を意識したその日から纏わりつく
自分の意思では抜け出せない
だからこそ百夜は美しい
思えば終わりが無く
誰かに背中を蹴り落とされて
初めて百夜は明ける
振り向けば遠く遠く消えて行き
捻転した腸のように戻れない
百夜は色を変えてそこにあり
色が見当たらないうちはまた続く