器の温かさ


苦手だったことも気づけば人に教える立場になり
読み物も書き物も作り物も仕事になって
あんなに長く辛かった難聴はあっさり治り
長かった頭の手術痕も最後の瘡蓋が消えた
強ばった表情は緩んで笑うことに笑えるし
抜け落ちた髪も増え、また髪を伸ばしてる
あんなに辛くて辛くてたまらなかった日々は
嘘のようにすっきりと跡形も無い


自分がどんなに小さくても、
大きな心の人々に囲まれていると
空も地上も街もみんな広く感じられる
その目に気付いてくれる人がいること
自分の力で真っ直ぐに生きること
私が大切なものを大切にしてくれる
それは淹れてくれるお茶の器の暖かさ
今、とても幸せだ。