in to you

古いものを追いかける二人は
決して過去ではなく現在を見ている
そこにはこれまでに過ぎてきた数十年の時があり
彼らがその目で見ている視線は明らかで
過去を見ている人と現在を見ている人の
明確な違いがよくわかる夏のできごと
過去ばかりを愛でては自慰するような
人々の目は窒息しているようで
時々わたしの目はそうなっている
取り憑かれたように
一方でくっきりした目の時もあるし
その違いが私にはまだわからない
最近感じていること、対極にある2つのこと
ああ、いくつも失ったものは
収集所に捨てたゴミのようなものさ
きっと大したことない、ただ通りすぎた
頬にあるわたしのそばかす、そして
足にできた大きなやけどのようなもの
2017-1975=42 42年間ではなく42年
それらは過去ではない。現在だ。
塩の柱になって
老いては動かなくなっていく人々を
そんなくだらないことよりさ、
ほらあちらに次の街が見える