カーテン


誰にも見つからずにここまで来れたか
私はあなたのためにカーテンを閉じる
子らに貪られたその魂の心根を
母親が切り落とした人差し指と中指を
ブルーライトに潰れた目に手を当てて
道端に放り捨てた副腎を差し付ける
いつかあなたが殺した自らの肢体を弔うために


だが私は蜂起した細胞群の収縮を押し並べて嘲笑し
労働と世論の光線が差し合う世界へ蹴り飛ばす
どのダマスク調カーテンも遮光することはなく
防音する街では監視カメラ越しに覗き見ている


あなたが選ばなかったBの道からやってくるパレードはバナー広告となってあなたをどこまでも追いかける


音を立て秒を追うごとに死んでいく
脳細胞が潰される音は耳鳴りになって
思わず閉じたその目にギンコール酸を振りかけた
これでもう決して私の顔を思い出すことはないね



いつかどこかに埋めたよね
回転木馬を地の奥深く
もう夢にさえ思い出さないように
黄斑ごと捻り潰した