0013

終電間際の新宿三丁目のベンチで
携帯でかわされる話は大抵酷くくだらなくて
別れを惜しむ男と女は
三倍速でドラマを流す
で、一斉に開かれた携帯の液晶から言葉が渇望するそれぞれのドラマ。
それぞれに他人事、それぞれにそれぞれが空気。
丸ノ内線の赤を脳裏に焼き付けて、携帯バリアを身に付けて、みんな茸のように動かない。


シナプスが振り子のように撒き散らす、
事情は陰気かお気軽か
心開けばそれも罪
各々の海に消え去った
人々の壁に、あなたが遠い