朝から沢山縫い物をして
片付けをして昼ご飯作って
裏山へ上った。
おじいちゃん亡くなって20年ぶり。
そこらじゅうに水仙が咲いている。
大きな道路は出来ていたけど
さらに登れば景色はそのままだった。
道なき道なのに、道は体が覚えていた
おじいちゃんに連れられて歩いた道
辺りはそのままに、梅が咲き誇り
おじいちゃんの死体が発見された井戸は草に覆われていた
おじいちゃんはおばあちゃんと喧嘩しては裏山に登り
禁じられていたお酒を飲んでいた。
隠れて飲んでいたお酒が原因でおじいちゃんは死んだ
おじいちゃんはおばあちゃんとよく喧嘩をしていた
おばあちゃんから逃げるように私の手を引いてメロンを買いに行った
いつか連れられて歩いた市場にはちゃんぽん皿うどんの出前をしてくれる店があって
おばあちゃんによくねだっていたな
前回の帰省で廃墟になって
今日見に行ったら更地になってた
手のひらいっぱいに水仙を摘んで
裏山を回ってマリア像のある墓地へ
おじいちゃんに会いにいったら
ようきたねって言ってて
今の私のことを沢山話した
おじいちゃんのお陰で詩を書き続けていることも
大切な人がいっぱいいることも
私が死んだらおじいちゃんと同じ墓に入れたらいいな
暗くならないうちに帰ったらお父さんとお母さんが帰っていて
皿うどんを作ってくれた
