アプラス3002


酷く飲み過ぎて記憶の無い草色シーツの朝
何かを思い出そうとして頭頂が痛む
ここは万年ハロウィンクリスマスの街


句点が足りないと歌う男を句点を抱えた女達が貪る
男は喜んで女の額に読点を投げつけてやる
恍惚に泣き叫ぶ女を西口に放置して大ガード
それでも男が愛する彼女はどこにもいない


子を捨てた女達がこめかみを隠して歌う
女は必死に句点がない振りで踊るけど
腋からぽろぽろこぼれ落ちるエクオール



ついに透明になって消え去った彼が飛ぶ
水たまりはスイカ色のライトに照らされて



さっき逃したチェリーは確かに男子校の制服
埋れる女の胸はjugglerのスピードで入れ替わり
正しく刻めぬリズムの間に無くした受容の言葉が埋まり


残された少年は句点の無い母を探して生きている



清水昶
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キャスバリズム
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