数年ぶりに開くメールサーバーに
魚身を捌くようにナイフを入れて
メルマガやおんがくのさそいや
bはまるで自分の死体を処理するよう
もう俺はこの世界では居ないもの
死んでるのと変わらない
この世界ではね、と顔を上げた。
2008年、彼の店は菊名にあって
私は平沼で丑三つ時まで二人きりだった
google先生は波のように瞼々を閉じる
そう、あなたはもうこの世界に居ない
ダム底に沈んだ家を見つめて明け方に眠りにつく
私はこの世界に右足が埋まっていて
石になった子宮を抱えて
急な舌炎に困っていて
20年前の映画を見ながら
またいつの間にか眠っていた
