ドアの向こう

みんなは私にとって悪い意味じゃなくて
正体不明のそれはむしろ風のようなもの
とても前向きなものだし、背に後押しする
風に乗ればどこまでも空に飛べるし
透明な空気は形になって人型を作り出す
炙られた人間の姿は誰のもの
私はそんな透明人間たちから給料を貰う
色がついてる一派なものがよっぽど信用ならないさ
彼らは気が向いた時にだけ思い出す
その空白にも私は生きているのに


あなたが意識するみんなはあなた自身であり
透明な人型になってあなたを指差している
それが幻想であることに気づいているのに
ドアの向こうに人がいると
あなたはいつまでも恐れ続ける