血潮


大きな鍾乳洞を心の奥底に抱え
人々は表面のザラメを琥珀と称え
やがて甘過ぎるジルコニアだと貶し
傷だらけの意思を抱えて去り行き
聞こえる音を線で繋ぎまた来る人
無数のビーズに体を埋めこんで
私の涙を一つ一つ拾って口に含んでいる
あなたの綺麗な長い黒髪の隙間に
真っ白な花々を飾っていく
痛みのない血は過去の川から流れてきて
私たちは互いの血潮に寝そべりながら
ぬるぬると海へ流されていく