時間が過ぎるのを

アルゼンチンのバンドネオン奏者、Dino Saluzzi ディノ・サルーシ
Kultrumというアルバムを聴いていた。
悲しみに沈むわけでも喜びに踊るわけでもない
ただゆっくりと音を刻んでいく。
夜になると、昼間には見えなかった音が見えるようになってきた。
暗いからこそ見てくるものがある。
明るすぎては消えてしまうものだ。
いくら死まで時が加速するとはいえ、毎日は長いのだ。24時間もある。
一部は寝るとして、残りの十数時間をいちいち笑ったり悲しんだり苦しんだりしていては体はもたないもの。
ただ黙ってゆっくりコーヒーなんか飲んでさ、やるべきことやって
時間が過ぎるのを待っていようじゃないの、と言われている気がして。


Dino Saluzzi Kultrum