なくしたものは

なくしたものはずっと向こうで
わたしのことなど覚えていない
さいふのなかみは からっぽで
おぎくぼえきでたおれてしまう
詩をかくちからを私にください
歌いたいのは この身のおくで
うすぐらくひかる思いのことば
げんきになっても たおれても
むごんのへやにあかりは点かぬ
まっくらやみでうめきをあげて
形にならないことばをかいてる
もう嘆かない 落ちたりしない
だからわたしにこえをきかせて
くるったままのよるとわたしで
こえにならないこえをあげても
なくしたものはずっと向こうで
わたしのことなど覚えていない