朝、ほんの少し、あと3分もすれば新宿に着く
バッグを持って、起き上がった瞬間、脳が萎縮する、いつもの、真っ白な世界
ドスン
目を開くと、座り込むように世界を見上げていた
乗客は皆、私を見ていた
高校時代の英語教師に似た女が「大丈夫ですか?」と言った
転倒した
5月に入って、もう何度転倒したことか
原因はわかってる
それでも立ち上がって、何事も無かったかのように
仕事に行かなくちゃならない
約束された安定という毛布に包まれた生活のために
もう一人では生きていないから
這ってでも仕事いかなきゃ
また転倒する