明け方の茉莉仙桃が花開く
私を不倫女に仕立てるのは誰だ
陳腐な花弁が口腔に絡みつく
どこで勇む足を踏み違えた
掌を透かせられない男たちは皆
運命線に描かれた故郷名を必死に隠す
自分の愛撫が一番だと本気で思い込んでる
前の人にはいつもどいてもらってる
繰り返しながら脱水症状を起こしている
淫売女と罵られた女の腹から生まれた少年が泣いている
あの少年のことだけを愛していたのに
塗装のハゲたフライパンで頑張っていたのに
目隠しで平穏な日々を愛していたのに
明け方私を不倫女に仕立てるのは誰だ
