みんななかったことにして

降りだした雨のにおいが嫌い。雨の匂いは好きなのに。街行く先は雨の色、地下道とタクシーのわずかな隙間に悲し気なグラス。茶シブが心に染み付いて、被った埃は涙でぐにゃぐにゃ。洗い流した通り雨、降りだした雨はもう、通り過ぎた季節を忘れてる。