always something better

茎を切った時、葉を裂いた時、雌蕊に顔を近づけた時のような
嵐の後の善福寺川は、様々な植物の香りでいっぱいだった。
揺さ振られた植物の枝や実、咲いたままの花房が道を埋め尽くしている。
老人の箪笥のにおい、ランナーの汗のニオイ、花の匂い、枝の臭い。
人々や食べ物や花屋の植物、埃、カビ、香水、化粧品、雨
様々な香りが充満するターミナル駅のコンコースのようだった。
きっとほんの1週間だけ。冬が目を閉じて眠り始める
十月桜と椿と木蓮と梅とミモザと桜と一緒に見られる幸せな季節。