漂流水

左目だけにコンタクトを入れていたら、右目が頑張りすぎてとても疲れていた。
頭だけ頑張ったら、心が疲れてしまうに違いない。
心は灰色のお風呂に入れるけれども頭は入ることができない。
灰色の時間が一番楽だ


みんなあんなにうまくやっているのに
どうして私はちっともうまくできないのだろうか
どうしてこんなにダメな人間なのだろうか
欠陥品か
どうしてこんなに私の心は脆いのだろうか
まるで自分の肌のようだ。ターンオーバーが早すぎてボロボロを繰り返す
「生きていてはいけない、何も生み出せない自分は死ぬべきだ」
という無数の声が心に打ち付けるように響き渡る、心の雨。


心の中をゆっくりと進んで行く潜水船の中に座って窓を見つめている。
海底には私が普段無理やり閉じ込めている色々なものが沈んでいて
深く潜っていくほどに水圧で耳が締め付けられ、思い出したくなかった古い傷を思い出し
窓の外にはぞっとするほどに醜い私の顔が死んだまま水中を漂っていて
いつか釣りしてる時によく見かける死んだ魚の漂流スピードを思い出して
いろんなものを海の中に放り込んでなかったことにしているのだ
でも何一つ解決していない
おもわずめくってしまったかさぶたの下には生々しく傷は何一つ治っちゃいなかった
死にたい死にたいと思いながら何も生み出せない自分をもがいている
「生きていてはいけない、こんな自分は早く死ぬべきだ」
「生きていてはいけない、自分は早く死ぬべきだ」
「生きていてはいけない、死ぬべきだ」
「生きていてはいけない」