摘心

0時を過ぎた四谷四丁目と新宿御苑の境目をよく行ったり来たりしている。ここはあまりいい空気ではないけれどもそれでも周辺よりかは静かでアクが少ない。黙ってトマトジュースを飲み込んで自転車を走らせて真夜中のkinkos。彼らから受け取ったプラスチックで紙飛行機を作っていると、いつか蹴り飛ばした白熊が放物線を描いて東高円寺に着陸する様を思い出した。飛行機が着陸するはずのaはちゃんと翌日に時計の針を進めるけれども、gよりもタチの悪い百足のような虫たちが住み着いてるようだ。そんな至る所に生えていそうなハエ取り紙を避けるように、最近は赤坂のビルの隙間で氷をかじっている。ベランダの時計草とユーカリを摘心していたらいつかのハーブを病気させてしまったことを思い出した。彼にひどいと言われたけれど病気は土ごと取って育て直すのが一番らしいのだと言おうとして諦めた。植物は生きているけれど人にとても優しいんだ。上をちょんきってあげると横へ手を伸ばす。切っても大丈夫だよ。でもねうまくやらないとローズマリーの渦巻いた幹になってしまう。新宿も小滝橋通りも三丁目も大ガードも日清パワーステーションもみんな緑の中にある。歌舞伎町のラブホテル、プルミエ石庭sekitei息を止めて鬼王に手を振る木曜日。反応と対応を分けてユーカリの葉。糖衣した心を踏み潰した関係性は、ただ今夜が寂しさを埋め合わせるのに近いだけでしょう、錯覚しているだけだよ。好きだと言われて裏切られるくらいならそんな言葉どうして力があると言えるの。そのまま同じ感覚で続けていたら枯れてしまう。だから摘心して広げていく。彼女が居ようが旦那がいようが誰だっていつだって人を好きになる。その時にどんな行動をとるか、それが人格というものだ。どうしてキスをしたのだろう。どうして好きだと言ったのだろう。銀杏並木は毎日の環境学あの川。外苑だけは唯一少し心が落ち着ける。それでも好きなのは過去のその一点ではない。きっと2年ぶりに思わず音楽を止めた。ガラスは粉々に割れてしまって今はリペアされた別のガラスが窓に映っている。相手を巻き込むこと、インボルブ。フコイダンで治りますか?切り取ってもらえますか。過去ではない、そこには過ぎている時間があり過去だと思い込んでいるそれは現在で、何もかも中途半端に心を捨ててきたからもうどれが本当かわからなくなってる。もう何もかもが消えてしまえばと呪い続けた私の願いは叶えられた。だからまだ願いを叶えて神様。何一つうまくやれなかった?くだらない話を重ねてみんなとても大切だった。私の体の中にはたくさんの嘘がある。自分の心に嘘をつくのが得意なその心をごまかすごとに摘心を繰り返した私の子宮は今ふて腐れていて少し重く、時々痛みがある。