ヨコハマ ヨコハマ

死の臭いを誤魔化しきれない人々が
北改札から排水口に沈んでいく
錆び付いた首を逆曲げて夜には
鶴見駅で飛び込んだ同期が手を差し伸べるのが見える


東口で男を焼売のように踏み潰す
不倫女は都市高速に消えていく
東京から逃げ隠れるように人々は
新宿の黄色い夜を忘れないように光を灯す
恍々とみなとが切り取られている
暖色の電球が海風に浮いている


保土ヶ谷の女を渋谷で拾って岡野町で犯す
無くした若さは東横線に流れてる
土地の言葉も故郷も優しさもない
逃げる準備か潜伏中か
死相抱えてヨコハマは
従属する名前を忘れている