芳しく

rottenlily2010-03-11

部屋に届けられた百合の花束、白い花弁で芳しい香りで、何もない部屋は鮮やかなイマージュで満ち溢れる。弾けて消える泡のように言葉で満たされる。満たされた私は穏やかな気持ちで眠りについた、翌朝、誰もいない部屋に残されたのは萎れもたげるリアル、枯れ落ちた百合の花弁、色のない残り香だけがあたりに散らばって私は今日を見失いそうになる、枯れた百合の花、枯れた花束ごと、芳しく私の部屋に残される

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