時には昔の話を

ひな祭りだから、と届いたのは大きなバウムクーヘン
ホワイトチョコがかかっていて、とても美味しかった。
烏賊飯と精進料理を酒の肴に
ラフロイグは仕舞っておいた記憶を呼び戻すお酒
laphroaig is the liquor that reminds back in the days
みんな余裕が無くなって、自分が裸であることに気付かなくなって
涙を溜めたコップの中に次々と泡のように昔の話が弾けていく
でもそれはまだ終わっていない章立ての途中で
登場人物の一人を思い出したら続きが始まる
夢で見た昔の実家の傍の大きな桜は桜色と鴇色をしていた。
ひな祭りはもう私にとって記念日ではなくなった。
どこかに置いて来た初めての楽器は手元に無くて
それは両親が買ってくれたもので、失くしたのは私の不注意で
今どこかで誰かが弾いて楽しんでくれているなら
ヤフオクパンくずリストにぶら下がって眠っているのなら
それはそれでいいよ、って今は思うんだ。