海の鳥


曇りの海に現れるあの鳥に会うたびに聞くけれど
地の人びとは誰もあの鳥の名を知らない
五匹目の鳥はどこか怪我しているのかおかしな飛び方をしていて
どうしてかあの鳥はこのまま死んでしまう気がして
どうにかしてあの鳥を助けたいけれど私はあの鳥の呼び方さえ知らないから
あの鳥はきっと私には気づかないし
私はあの鳥に話しかけることさえできない