jardins sous la pluie


誰かの漫画みたいに、ナウシカみたいに
青年誌の漫画みたいに、アニメみたいに
いつか怪我した頭の上の小さな傷からドロドロの物体が出てきて、黄土色で粘度を持ったドロドロはとめどなく溢れ、増殖して盛り上がり、首から頭全体を包み、脊髄に沿って背中を降り、ぼてぼてと床に落ちた物体は足からアキレス腱を包んで私の足をこの場に固定して上から下からドロドロの物体にすっぽり包まれて最後に心臓手前の小さな傷から心の中に入り込んで壊れてしまう。


よく人の話や本なんかで、気が狂ってしまった女性の話があるけれど、あれ、分かる気がした。というかそうなりかけてた。


これまで当たり前に渡っていた吊橋が突然壊れて落下し、汚いドロドロの川に溺れそうになったら、修理されたその橋を渡るのにはどんな気持ちになるか、そんな気持ち。次に吊橋が実は壊れていたら今度こそ私は発狂するに違いない確信がある。


悲しいことばかり書いたら悲しいから嬉しかったことは、昨日、勇気を振り絞ってpinoを買ってもらったこと。コーヒー味のアイスもpinoも大好きでとても幸せだった。


誰にでも傷は沢山あって、誰かを蔑んだり妬んだりそういうことを重ねたら黄土色のドロドロが身体の中に溜まっていく。


本当は笑顔でいたい、抱きしめて欲しい、穏やかにのんびりお茶を飲みながら雨の庭を眺めていたい。