おりてくる

鯨井謙太郒
WORLD'S END UNDERGROUND 2022→2023「藏」
@三鷹 scool

久々の鯨井さん公演。なんか一緒に観たくてstも誘って三鷹へ。
彼はいつも人々の二周も三周も向こう側を行っている。
地を這っているのに、そのまま鷹になって空高く飛んでいる。
羽ばたいていたのにふっと人間になって降りてくる。その一瞬の表情の切り返し。
潰れた私の目では拾えない眩しい光だった。

 


動物の目になって初めて見える世界がある。
例えばそれはstにしか見えなかったあの道路の向こう側の夕焼けのようなものだ。

 


色んなものを研いでこの目に串刺しにして捨てて、どうにも動かない私の体で
これからどこへ行くことができるだろうか、でもこの手の中の雛鳥をどう守っていこうか
誰もいなくなってしまった三鷹駅エスカレーターから見上げた空に
大きな鳥たちの翼が、翼だけが見えていた、私にはまだその動く影しか見えないのだ。

 

穴の開いたこの目でどう動けばいいのか、空気と音、そして体に聞くしかない

 

 

f:id:rottenlily:20230915125649j:image