記憶の中に踞る

新宿三丁目の長いトンネルを抜けるとそこは新宿駅東口だった。
どうしてこうも下手なのかと、途切れがちな記憶の断片を辿り間違いを再考する。
生き方も魅せ方も下手なのだ。

明日を求めて横浜をさ迷うのは実は過去を探しているだけで
達成されることのなかった完成と成就の果てにまた明日の劣化した望みがある

新宿三丁目の長いトンネルにはコンピューターウィルスが溢れまんた。

できるなら記憶よ次は偽の情報として書き込むように言い聞かせて

30mごとに溢れる合わない鏡にぐしゃぐしゃの髪を写しだして
こんなはずではなかったはずだね

回廊にこうして繋がった

過去の人と人の柵に絡まった
蔦を引っ張るとそこには

只今の私の瞼の色があったんだ。


論者よ、聞こえているなら
あなたの今を持って

西新宿の杏子の種と氷の中に

沈んだ声を聞かせてください

決して腕には触らぬように