蜉蝣の記憶

いつ消えたのか生まれたか
いつ気付いたか忘れたか
消えて光るは蜉蝣の
命の音さえ聞こえない

胸の奥では響いているのに
頭蓋の中で響くのに

確かについたこの耳でさえ
傾き加減の首でさえ
掠れた声を聞いているのに
私の中には響かない
蜉蝣の音 聞こえない
蜉蝣の記憶 気付かない